薬剤師の年収(給料)は都心より地方が高い!?給料アップのために知っておきたい薬剤師のニーズ

はじめまして!
私は元薬剤師で、現在、薬剤師さん向けの人材紹介会社で働くキャリアアドバイザーの伊集院ナオコです。

前回、前々回と、薬剤師さんの転職を成功させるための「紹介会社の選び方」についてお話ししましたが、今回も転職を有利に進めるための内容をご紹介します。

今回はズバリ、転職の動機にもなる「年収アップに関する知識」です。

1. 地方の方が都心よりも給料が高い場合が多い

意外に思われるかもしれませんが、薬剤師の場合、実は都心の薬局で働くよりも、地域の薬局で働く方が給料平均が高いんです。

  • 神奈川県で働いたときの平均年収は、約500万円~550万円(30代の薬剤師)
  • 鹿児島県で働いたときの平均年収は、600万円以上(30代の薬剤師)

上記のように、最大で100万円も差がありますが、なぜ、そんなことになっているのでしょうか?
実は、そこには地方の需要に対して薬剤師が不足しているという現状があったんです。
そのため、地方では薬剤師を確保するために、待遇を上げているところが多く、狙い目なんですね。

もし、年収がなかなかアップしないという方は「地方勤務」を検討されてみるのもいいかもしれません。

2. 今後需要がある「訪問医療」など、待遇アップが望める分野を狙う

先ほど、「地方勤務」の検討をオススメしましたが、いきなり住む地域を変えるというのは、難しいという方もいると思います。
その場合に有効なのは、今後需要のある「訪問医療」などの分野に力を入れている職場に転職することです。(「訪問医療」の詳細については後述のストーリーで紹介します)

「訪問医療」は、コミュニケーションが大事なので適性の有無はありますが、今後の在宅医療の増加とともに需要が確実に増える分野なので、転職の際に考慮するといいかもしれません。


では、これらのノウハウは一体どのような状況で必要になるのでしょうか?
実際に起こりがちな状況を想定しつつ、楽しく学べるよう読み物(ストーリー)で用意してみました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

ストーリーを読む

今回の登場人物

伊集院ナオコ(32)

伊集院ナオコ

薬剤師として働いていたが、人材紹介ビジネスに興味をもち、人材紹介会社に転職後に起業。
「伊集院ナオコ転職相談所」というオフィスを立ち上げた。
業界の裏までを知り尽くしたその知見を駆使して、多くの薬剤師の転職を成功させている。
近頃、一部の薬剤師の間で「困った時のナオコさん」と呼ばれはじめた。

山本優太(26)

山本優太

元薬剤師だったが、転職を決意したときに偶然「伊集院ナオコ転職相談所」に相談をする。
親身になってアドバイスをしてくれるナオコの姿に惚れ込み、薬剤師ではなく、ナオコと同じキャリアアドバイザーとして働くことを決意。
衝動的に「伊集院ナオコ転職相談所」に転職してきた。
まだまだ経験が浅いが、明るさと元気だけが取り柄。(・・・だったはずが、最近は自分の不甲斐なさから落ちこむことも多い)

皆川遥香(39)

皆川遥香

今回の相談者。
サーフィンが趣味で、サーフィン仲間が多く、青い海の上でボードを操るその姿は、仲間からは「オレたちのマーメイド」といわれているらしい。
現在はサーフスポットが近い鹿児島の薬局で働いている。
家庭の事情で、神奈川県に戻ってくることになったのだが・・・。

ここは伊集院ナオコ転職相談所。
人生の岐路に迷った薬剤師の駆け込み寺。

今回の相談者は、いつになくセクシーな女性のようだが、はたして、はたして・・・。

なるほどです!
神奈川の湘南エリア付近で求人を探されているわけですね。

そうなの。
うちの実家の都合で藤沢に戻らないといけなくなってしまって・・・。

藤沢だと江の島まで近いですものね。
車で15分くらいでしょうか。

あら、詳しいわね。

へへへ、実は僕も昔、ちょっとだけ波に乗ってた派でして。
とはいえ、かなりの素人なんですが・・・。

そうなの?
波はいいわよね。
仕事のストレスとかイヤなこと全部、波が洗い流してくれる気がする。
サーフィンを始めた頃は、まさか自分がこんなにサーフィンにハマるなんて思っていなかったわ。

僕、最近波に乗ってないので、近々湘南あたりに繰り出したいと思います!

フフフ。
もし私が湘南で働けたら、サーフィン教えてあげてもいいわよ。

えっ!本当ですか!
やったー!!

・・・えと、ではですね、求人を紹介するにあたって、いくつか条件を聞かせてください。

はい。

えーと、皆川さんは今は鹿児島にいらっしゃるんですよね?

そう。
今、私が勤務している薬局の近くにはサーフスポットがあって、勤務前に波に乗ってたりするのよ。

えええっ!勤務前に波に乗ってらっしゃるんですか!?

フフフ。
早朝の海は人が少ないからね。

おかげで、ストレスからは無縁の日々。
ほんと波って最高。

ちなみに、皆川さんの今の年収っておいくらくらいでしょうか?

年収680万円ってとこね。

今度転職する場所は神奈川県内になるだろうから、鹿児島のときよりも高い給料を期待しているわ。
希望年収は700万円以上ってとこかしら。

700万円以上・・・。

あとは、できるだけサーフスポットに近い薬局がいいわ。
今のライフスタイルを崩したくないから。

あ、もちろん、その分、仕事のクオリティは任せておいて。
今の薬局でも後輩からは頼りにされているんだから。

わかりました!
一度こちらでご希望の条件に当てはまる求人がないか探してみて、あらためてご連絡しますね。

よろしくね。

ガチャッ

うーん。
年収700万円以上か・・・。
正直、求人は少なそうだけど、とりあえずキャリアシートにまとめてみよう。

よし、できた。
あとは・・・いつもナオコさんがやってるみたいに、データベースで検索して皆川さんの希望条件に合った求人がないか調べてみようかな。

優太's データベースサーチ!!

へっへー。
一度、これやってみたかったんだよね。

伊集院ナオコ転職相談所には、一般的な小さな紹介会社がもつ求人データベースよりも豊富に求人を扱うデータベースがある。
そのデータベースは、ナオコの前職である「ルクナビ」のデータベースと連動しており、大手と同レベルの求人情報を抽出することが可能にゃのだ!

・・・あれ?
「条件に合う求人はありません」って表示されてる・・・

ちょっと年収が高いからといって、該当する求人がないっていうのはおかしいなあ・・・。

よし、もう一度!

優太's データベースサーチ!!

やっぱり0件表示だ・・・。
何が悪いんだろ・・・。

ガチャッ

ただいま。

ふうーっ。
オフィスは涼しくて生きかえるわ・・・。

あ、ナオコさん!

あら、データベースで求人情報を検索してたの?

そ、そうなんです!
す、すいません・・・。勝手に使っちゃって・・・。

いいのよ。
もうあなたもこの事務所に来て3ヶ月目だからね。
そろそろ、データベースの使い方も覚えていかないとね。

ありがとうございます・・・!

・・・あ、ただ、データベースの調子がおかしいみたいで・・・。

・・・データベースが?
どんなふうに調子がおかしいの?

実はさっきある方の面談をおこなったんですが、その方の希望条件で検索すると、求人が1件も出てこないんです・・・。
年収700万以上を希望されているとはいえ、1件もヒットしないのはおかしいなと・・・。

うーん。
もしかしたら、データベースのせいじゃないかもね。
その人のキャリアシート、見せてくれる?

はい、こちらです。

今回の相談者

皆川遥香

皆川遥香

性別:女性
年齢:39歳
就業状況:就業中(調剤薬局で週5勤務)
転職回数:9回
現在の年収:年収680万円
希望勤務先:神奈川県の湘南にある薬局
希望年収:年収700万円以上
休日の趣味:サーフィン

相談内容:
現在は鹿児島の薬局で働いている。
(趣味のサーフィンができるサーフスポットが近くにあるらしい)
しかし先日、実家のお母様が倒れて入院されたため、今後のことを考え、実家の神奈川に帰ってくることにした。

皆川さんね。
神奈川県の湘南にある薬局を希望されているのね。

はい。皆川さんはサーフィンがお好きで、毎朝、出勤前にサーフィンをしているような方です。
で、そのサーフィン好きが高じて、全国のサーフスポット巡りを兼ねて、サーフスポット近くの薬局を転々とされてきたそうなんです。

そうなのね。
だからこんなに日に焼けてらっしゃるのね。

もしかして、皆川さんの転職回数が多いから、求人が出てこなかったんでしょうか・・・?

うーん、たしかに9回という転職回数は多いけれど、それが原因ではなさそうね。

・・・ということは、ほかになにか理由があるんですね?

「希望年収」よ。

希望年収、ですか・・・?

そう。
希望年収が高すぎるのよ。

あ、でも、皆川さん、今の職場で680万円の年収をもらっているそうなんです。
職場での評価も申し分ないみたいですし、20万円アップの700万円なら、十分可能性はあるかなと思ったんですけど・・・。

そうね。
能力のある人の場合、“同じ地域”で転職する場合なら、年収アップすることは多いわ。

“同じ地域”でなら・・・?

・・・ということは、鹿児島から神奈川に引っ越すことが、年収アップできない理由なんですか?

その通りよ。
実は、神奈川よりも鹿児島のほうが、薬剤師の平均年収が高いのよ。

えええーっ!!?

給与水準の知識に関しては優太はまだまだ勉強不足ね。

たとえば、薬剤師求人プレミアのサイトにある、地域別の年収情報を見てみて。
神奈川よりも鹿児島のほうが、薬剤師の平均年収が高いわ。

30代の薬剤師が神奈川県で働いたときの平均年収は、約500万円~550万円。
鹿児島県の場合は、600万円以上よ。

そうなんですか・・・!
僕、ほかの地域で働いたことがなかったから、全然知りませんでした・・・。

で、でも、どうして地方だと、給料が高いんですか?

それはね、薬剤師の年収は、需要と供給のバランスが大きく影響しているからよ。

需要と供給・・・?

そう。
カンタンにいえば、薬剤師が少ない地域ほど薬剤師は集まりにくい。
だから、薬剤師が少ない地方の薬局は、高い給料を払ってでも、薬剤師を欲しがるのよ。

なるほど・・・!

皆川さん、鹿児島で働く以前の職場も地方の薬局じゃなかった?

あ、え、えと、調べます・・・!

・・・宮崎、静岡、高知・・・。
た、たしかに地方ばっかりです・・・!

やっぱりね。
つまり、皆川さんがこれまで年収アップを続けてこられたのは、人手が少ない地方で働き続けてきたからなのよ。

皆川さんが年収アップできていたのは、人手不足の地で働いていたからよ

なるほど・・・!!
ということは、皆川さんが希望された700万円という年収は、地方でないと実現が難しい金額なんですね・・・。
神奈川は地方じゃないからなあ・・・。

そうね。
だから、まずは皆川さんに「神奈川の年収水準を知ってもらう」ことから始めていきましょう。
さっきも話したけれど、神奈川の場合、30代薬剤師の平均年収が500万円台前半だから、皆川さんくらいのベテランでも、年収600万円いけばいいほうかもしれないわ。

年収600万・・・。
希望の年収からは100万も開きがある・・・か・・・。

と、とりあえず、皆川さんにこのことを伝えてみます!

あ、ちょっと待って。
皆川さんに伝えておきたいことは、ほかにもあるわ。
それは「次の転職先は、慎重に選びましょう」ということよ。

慎重に・・・。

皆川さんはサーフィン好きが高じて全国の薬局を転々としてこられたと聞いたわ。
各地の薬局にスムーズに転職できたのも、皆川さんの能力の高さがあってこそかもしれない。
でも、やっぱり、転職回数9回はちょっと多いわ。
あまりに転職回数が多いと「この人、また、すぐ辞めてしまうんじゃないか」と薬局側に懸念される可能性は高いから。
今後は転職について慎重に考えてもらったほうがよさそうね。

たしかに、転職回数9回という方はあまり聞きませんね・・・。

そうなのよ。
今回はご家庭の事情もあり、長期で神奈川で働くことになりそうだし・・・。
「いい職場を一緒に見極めましょう」ってお伝えしてね。

はい。
わかりました!

電話が鳴っている

トゥルルル、トゥルルル

はい、皆川です。

あ、伊集院ナオコ転職相談所の山本です。

あ、先ほどの。
いい求人が見つかったかしら?

あ、それが・・・
実は、神奈川の薬剤師の年収相場と、皆川さんの希望する年収とに格差があり、いい求人がなかなか見つからない状態でして・・・。

え・・・!
でも、これまで私、ずっと年収アップしてきたのよ!
仕事もしっかりこなしてきたし、同僚からの信頼も厚いし。

じゃあ、どのくらいの年収が妥当なの?

うまくいって、年収600万円くらいかと・・・。

そ、そんな・・・!
少なすぎます。

ただ、神奈川の相場がですね・・・

じゃあ、もういいわ!

え・・・?

紹介会社はそっちだけじゃないので、ほかの紹介会社に登録に行くからっ!

あ、あの・・・。

・・・。
だいたい、あなた、この仕事を始めてからどれくらい経つの?
なんだか、若そうだけど。

わ、私ですか?
は、半年です。
(本当は4ヶ月だけど・・・)

えええっ!?

そんなに短いの!?
あなたが担当だから、いい求人を見つけられないだけじゃないの?

そ、そんな・・・

とにかく、もういいわ!
ほかの紹介会社に相談するから!

ガチャッ

落ちこむ優太。目を光らせるナオコ

・・・ナ、ナオコさん。
あの・・・。

・・・話は大体わかったわ。
相手がすごい剣幕で怒っていたということは、受話器越しに聞こえてきてから。

僕、皆川さんを怒らせてしまいました・・・。
どうしましょう!?

優太は悪くないわ。

皆川さんには、いったん冷静になってもらうしかないわね・・・。

え?

もしかしたら、皆川さん、本当はほかの紹介会社にも相談していて、いい求人が見つからずに焦っているのかも。

焦っている・・・?

大丈夫よ、皆川さんはこのままにはしないから。
少し日をあけてから、私が電話してみるわ。

・・・ありがとうございます!

それから1週間後。

電話が鳴っている

トゥルルル、トゥルルル

はい、皆川です。

お世話になっております。
わたくし、「伊集院ナオコ転職相談所」の代表をつとめている伊集院ナオコと申します。

あ・・・。

ザザーという波の音

先日は、うちの山本が大変失礼いたしました。

あ、いえ・・・。
私の方こそ、大人げなく感情的になってしまって・・・。

いえいえ、とんでもないです。
ところで皆川さん、今、海の近くにいらっしゃるんですか?

あ、聞こえます?波の音。
今日は遅番だったので、仕事の前にサーフィンをして上がってきたところなんです。

素敵ですね。

私、久々に波の音を聞きました。
実は私カナヅチで、自分が泳げないものだから、海にもほとんど行ったことなくて。

あ、そうなんですか・・・?

でも、波の音はいいなあって思います。
いろいろなものを流してくれるというか、心が落ち着くというか。

そうなんですよ。
海に入ると、どんなストレスや悩みも吹き飛んじゃうんですよね。

・・・皆川さん・・・。
もしかしたら、なにか、悩み事をおもちじゃないんですか?

あ・・・。

ご存じのとおり、私は今、転職活動中なのですが、実は、どこの紹介会社からも「あなたの条件に合う求人はない」と言われてしまって・・・。
転職活動が思うように進んでいないんです・・・。

・・・そうだったんですね。

・・・。
それにも関わらず、あなたの会社の新人さんに八つ当たりしてしまって・・・。
なんというか・・・。本当にごめんなさい・・・。

いえいえ、大丈夫ですよ。
心配なさらないでください。

・・・。
伊集院さん。

はい。

希望年収が高いと、そんなに求人が見つからないものなんでしょうか?
うちは母一人子一人ですし、今後は母の医療費も負担しないといけないので、年収が下がるとそこが不安で・・・。

・・・そうだったんですね。
うちも一人っ子なので、親の医療費については私もよく考えます。
これから先、親の介護が必要になったとき、一人で支えられるのかなって。

あ、伊集院さんも独身なんですか?

はい、特に結婚の予定はないです(笑)
いつかは素敵な王子様と出会いたいですけどね。

あ、それも私と一緒(笑)

ふふふ。

・・・皆川さん。
もう一度、私たちにチャンスをいただけないですか?
皆川さんと一緒に、皆川さんが納得できる職場を探したいんです。

・・・。
また私のために時間を遣っていただけるんですか?

もちろんです。
うちの転職相談所は「困った薬剤師さんの駆け込み寺」といわれているくらいですから。

「薬剤師の駆け込み寺」・・・。
なんだか素敵ですね。

ありがとうございます。

皆川さんはこれからお仕事もあると思いますので、夜にまたお電話してもよろしいですか?

はい、大丈夫です。
私、この後患者さんのところに行く予定があるので、20時くらいなら電話に出られると思います。

分かりました、20時ですね。
・・・皆川さん、患者さんのところに行かれるということは、もしかして、「訪問医療」もされているんですか?

あ、そうです。
このあたりだと、最近増えてきていますね。
お年寄りも多いですし。

・・・そうなんですね。
では、夜にまたお電話差し上げますね。

ザザーという波の音

ナ、ナオコさん、皆川さん、怒ってませんでした・・・?

大丈夫よ。
皆川さんから、先日のこと、優太に謝っておいてくれって。

えっ!?

(皆川さんって、怖い人じゃなかったのかな・・・)

さて・・・と。
今の皆川さんとの電話で、給与アップ交渉のための“起死回生の一発”を手に入れたわ。

起死回生の一発・・・!?

皆川さんにはね、「訪問医療」の経験があるのよ。

訪問医療・・・!?

訪問医療って、あの、患者さんのお宅に薬剤師が行くやつですよね?

そう。
在宅訪問薬剤管理のことよ。

その言葉、聞いたことあります。
その経験があると、なにかいいことがあるんですか?

そうよ。
雇い主との強い交渉材料になるのよ。

えっ!?

今、訪問医療に力を入れようとしている薬局は増えているの。
とくに、これから新しく立ち上げを考えている薬局だったら、かなりの確率で訪問医療経験者を優遇するわ。

知らなかった・・・。

これを機会に覚えておきなさい。
東京都の薬剤師会のサイトに、訪問医療について以下のように分かりやすく書いてあったから。

在宅で治療を行っている患者さんは、複数の医療機関から薬を処方されていて、飲み忘れてしまったり、どの薬がなんの薬かわからなくなってしまったりと、薬の管理をしきれなくなることがあります。
その状況を改善するために、薬剤師が定期的に訪問することで、薬の管理をしたり、薬を飲めるように指導したり、手伝うことを「在宅訪問薬剤管理」といいます。

薬剤師は、訪問医療にかかわる医師、訪問看護師、ヘルパー、ケアマネジャーと情報共有をしながら、医療チームの一員として患者さんの支援を行います。
高齢化社会を迎え、病院に入りきれない人が出てくることから、在宅で治療する人が増えてきているので、在宅訪問薬剤管理のニーズは、さらに高まっていくことが予想されます。

参考:東京都薬剤師会|在宅訪問薬剤管理とは

なるほど・・・!
高齢化社会になると病院以外も医療現場になるんですね。
そのため、訪問医療に対応できる薬剤師の重要性が増していくことになる、と。

そのとおり。
で、ニーズがどんどん高まっている訪問医療だけど、実は薬局が訪問医療を始めるのは結構ハードルが高いのよ。

え・・・?
ニーズがあるのに、始めるのが大変なんですか?

そう。
その理由はね、訪問医療の場合、患者さんをどうやって見つけるか?という問題がつきまとうからよ。

・・・?

訪問医療の場合、薬局などと違って、患者さんが店舗に足を運ぶことはないわ。
そもそも、足を運べないから、在宅での治療を求めているわけでしょ?

あ・・・!

そこで重要になるのが、訪問医療を求めている患者さんがどこにいるか?という情報なの。
その情報を得るためには、薬剤師同士のネットワークでは不十分。

訪問医療に関わっている医師や訪問看護師、ヘルパー、ケアマネジャーのネットワークを通じて、情報収集していく必要があるの。

なるほど・・・。

とはいえ、そういったことは誰にも気軽にできるわけじゃない。
だから、在宅医療に力を入れようとしている薬局は、薬剤師に“ある能力”を求めているわ。

“ある能力”・・・?

“コミュニケーション能力”よ。

“コミュニケーション能力”・・・!

これから先、訪問医療の現場で求められるのは、コミュニケーション能力が高く、フットワークの軽い薬剤師よ。

そう考えると、皆川さんは適任ね。

誰も知らない土地に1人で引っ越して、そこでサーフィンの仲間をどんどんつくっちゃうくらい、コミュニケーション能力とフットワークがある人だから。
そして、そもそも、すでに訪問医療を経験しているわけだしね。

ほんとですね・・・!

だから、皆川さんの場合、訪問医療に力を入れている薬局を当たっていけば、彼女が求める条件に近い求人が見つかるかもしれない。

やった!!

訪問医療で働く薬剤師に必要なのはコミュニケーション力よ

じゃあ早速、訪問医療の立ち上げを予定している薬局を中心に探してみるわよ。

はい!

ナオコと優太は“訪問医療”というキーワードを軸に、求人データベースから皆川の希望条件に少しでも条件に合う求人を探した。

やがて、時刻は20時になった。

電話が鳴っている

トゥルルル、トゥルルル

はい、皆川です。

あ、伊集院です。
お仕事おつかれさまです。

伊集院さんも、おつかれさまです。

ありがとうございます。

あの・・・。
私に合った求人って見つかりそうでしょうか・・・?

はい、その件でいい知らせがありまして。

えっ!!
そうなんですか!
う、うれしいです!!
どんな求人でしょう?

勤務先は「渚の風薬局」。
場所は、神奈川県藤沢市内にあって、湘南海岸公園の近くです。
海まで徒歩5分で行けますよ。

それは素敵ですね!
転職先でも出勤前のサーフィンが続けられそう!
ああ、とってもうれしいです!

そして、渚の風薬局では「訪問医療」の立ち上げを検討していて、今、訪問医療の経験者を求めているということです。

訪問医療の立ち上げですか、ワクワクしますね。

・・・で、一番気になる年収ですが・・・。

はい・・・!

650万円です。

650万円・・・。

・・・。

・・・。

・・・でも、神奈川の薬剤師の年収相場からすると、かなり高いんですよね。

・・・!

私、もうワガママは言いません。
お給料は下がっちゃうけど、こんなに親身になって私の転職先を探してくれた人をガッカリさせるのはイヤですから。

皆川さん・・・!

私、その薬局の面接受けてみたいです!
伊集院さん、ぜひ、その薬局さんとの面談、進めていただけますか?

分かりました。
では、進めますね。

あと、現在年収を引き上げられないか交渉中です。
とはいえ、ギリギリの交渉になるかもしれないので、その点だけはご了承いただけるとうれしいです。

・・・ナオコさん・・・。
本当にありがとうございます・・・。

いえいえ、皆川さんが無事に転職するまでが、私たちの仕事ですから。
頑張りますね。

あと・・・よかったら今度、カナヅチの私に泳ぎ方を教えてくださいね。

もちろんです!

その後、皆川は「渚の風薬局」に採用され、無事に転職活動を終えた。
そして、1か月後の初出勤日。

今日、皆川さん「渚の風薬局」への初出勤ですね!

そうね。
あとで電話でお祝いしないと。

無事にこの日が来てよかったなあ。
しかし、ナオコさんはすごいですよ!
年収650万円から680万円にアップさせてしまうんですから。

粘り強い交渉がコツね。

それにしても・・・僕、皆川さんの件では何の役にも立てませんでした。
むしろ、足を引っ張ったというか・・・。

大丈夫よ。失敗はまた次に活かせばいいのよ。
いつまでもクヨクヨしてちゃダメ。

それに、求職者と私たちキャリアアドバイザーには“相性”もあったりするから。

“相性”・・・ですか・・・?

そう、“相性”。
私と宮川さんは年も近くて共感できる点が多かったのよ。

共感できる点・・・?

人間は自分と似た境遇や性格の人に親近感を感じやすい。
たとえば、今回の皆川さんの件でいえば、私と皆川さんには“独身の30代女性で一人っ子”という共通点があったの。
それに、皆川さんはキャリアがあって、年下には心を開きにくいタイプだったのかもしれないわ。

そうだったんですね・・・!

だから、きっと、私よりも優太のほうがはやく打ち解けられる求職者さんだって来るはずよ。

なるほど・・・!

大丈夫、大丈夫。


今回は「地方と都心、働く地域によって異なる年収」と「高まる訪問医療のニーズ」について紹介しました。
この記事があなたの転職活動の参考になれば幸いです。

次回予告

「薬剤師が働く場所が薬局だけだと思っているの?」

その日、伊集院ナオコ相談所へかかってきた一本の電話。
調剤薬局への転職を希望する求職者。
いつものように対応する優太だったが、ナオコはその求職者が心の奥に隠し続けている“ある気持ち”に気付く。

次回、伊集院ナオコの転職相談所、「開かずの扉を開け!」。

転職の女神は、あなたにそっと微笑む。

※本コンテンツはフィクションであり、実在の人物・団体との関係はございません。
※本ノベル内で取り上げているノウハウに関しましては、実際のキャリアアドバイザーからのヒアリング及び、様々な文献を参考にして構成させていただいております。


伊集院ナオコのぶっちゃけ話

・・・ところで、ナオコさん。
うちの転職相談所に来る人たちって、みんないろいろな求人サイトに登録しているんですが、結局、ナオコさんがオススメする求人サイトってどこなんですか?

う~ん、そうね・・・。
ぶっちゃけていうと、以下の2つの法則に該当する求人情報サイトかしら。


  1. 求人データベースを豊富にもつ“大手”が運営している
  2. 登録後、機械的に求人情報を提供するのではなく、転職アドバイザーが各自の裁量で、その求職者に合った求人をしっかり調べてくれる

なるほど・・・!

あ、この2つの法則って、ナオコさんが僕に教えてくれた法則ですよね?
今なら、ナオコさんがこの法則を大切にしていた理由がすごく分かります!

ふふふ、ありがとう。

・・・でも、優太も知っている通り、この2つの法則を知らずに、適当に求人サイトを選んでしまっている人はすごく多いの。
たとえば「広告をたくさん見かけるから選んだ」とか「検索順位が高いから選んだ」、とか・・・。

だって・・・、普通はたくさん露出している求人サイトを選びますよ。
さっきの2つの法則が大事だなんてこと、普通の薬剤師さんは気付かないです。

転職活動の期間中は何かと忙しいし・・・。

そうね・・・。
そこが転職業界の“闇”でもあるのよ。

でも、その“闇”から抜け出せることができるかどうかは、自分自身。
自分の人生だから、しっかり情報収集して、“何が正しいのか?”を判断しないとね。

やみくもに求人サイトに登録するのではなく、自分の個人情報を大切にして行動しなくちゃ。

なるほど・・・。

ということを踏まえると、私が言うのもなんだけど、私が今お手伝いしている「薬剤師求人プレミア」というサイトはオススメよ。
上記の2つの法則をクリアしてるから。

リクナビ薬剤師と提携しているだけあって、求人データベースの情報量がすごいですし、サイトには転職体験談もたくさん載っているので、自分と境遇の合った人を見つけやすくて、安心できますね。

そうよ。
そして、極めつけは転職アドバイザーのレベルね。
転職アドバイザーの憧れでもあるリクルートのすご腕のアドバイザーが、時間をかけて転職をサポートしてくれるので、とても安心よ。

もしかして、そのアドバイザーの中には、ナオコさんが尊敬するあの人もいるんですよね・・・?

ふふふ、そうよ。
詳しくは、今後話すわね。

薬剤師求人プレミア 伊集院ナオコが語る2つの法則をクリアした求人サイト

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Written by ソノン池田/illustrated by シルクハット上野