44%の薬局で在宅医療を実施している!在宅医療における在宅薬剤師の役割や仕事内容まとめ

こんにちは!
元薬剤師のキャリアアドバイザー、伊集院ナオコです。

突然ですが、薬剤師のあなたは在宅医療に興味はありますか?
深刻な高齢化が進んでいる今、病院の病床数が高齢者の数に追いつかず、患者さんが自宅で療養をする「在宅医療」が急速に普及しています。

訪問医療

在宅医療には、医師や看護師、介護士など関わっているイメージが強いですが、実は在宅医療での薬剤師の活躍が注目されているんです!
その理由は、在宅医療に薬剤師が参加することで、下記のような効果があるからです。


  • 医師や看護師などの医療従事者の負担が減る
  • 患者の薬の飲み残しを改善できる

在宅医療の現場では薬に関する管理を誰がするのかが、あいまいなケースが多く、薬剤管理や服薬指導は看護師が担当していることが多いです。
薬剤師や在宅医療に参加すると、こうした看護師の負担を減らすことができます。
そして、今まで医師が対応していた薬に関する相談も、薬剤師が担当することができるんです!

また、高齢者は複数の病院にかかっていることが多く、病院ごとに薬を処方されています。
その結果、薬の種類や数が多すぎて管理ができなくなってしまい、薬を飲み残してしまうことが多いんです。
こうした薬の飲み残しによる経済損失はなんと500億円といわれていて、国の医療費負担を圧迫しています。

ですが、薬剤師が在宅医療にかかわっていくことで、500億円の損失が100億円にまで改善できるといわれているんです・・・!

こうした背景があり、在宅医療を実施している薬局は、薬局全体の約44.2%と半数近くにまで増加しています。(※2015年1月時点)

在宅薬剤師が注目されています

そして、今後も在宅医療を実施している薬局は増加していきますので、在宅医療にかかわる薬剤師である「在宅薬剤師」のニーズはどんどん高まっていくことでしょう。

そんな在宅薬剤師の仕事は、薬剤師にとってさまざまな学びがあります。
たとえば、幅広い職種の医療従事者と関わることで、お互いの立場を理解するコミュニケーション能力を磨けたり、幅広い医療知識が身についたりするんです。

今回の記事では、そんな在宅薬剤師の仕事内容や身につけられるスキルについてお話しします。
また、元薬剤師のキャリアアドバイザーの視点から“在宅薬剤師の求人を探す際のポイント”についても説明しますので、チェックしてくださいね。

それでは、まいります!

在宅薬剤師の役割は、医療従事者の負担を減らすことや、誤飲による事故をなくすこと

まずは、在宅医療の現場で薬剤師がどんな役割を果たしているのかを詳しく説明していきますね。
在宅薬剤師の役割は、以下の3つです。


  1. 医師や看護師などの在宅医療従事者の負担を減らす
  2. 薬の知識不足による事故を防止する
  3. 患者の薬の飲み残しを改善し、国の医療費を削減する

それぞれについて、詳しく説明していきます。

【在宅薬剤師の役割】
1.医師や看護師などの在宅医療従事者の負担を減らす

訪問薬剤師は医療従事者の負担を減らします

在宅医療の現場では、薬に関する管理があいまいなケースが多く、看護師が薬剤管理や服薬指導を担当することもあります。

看護師にとっては、本来の業務ではない薬に関する業務を任されることは負担ですし、薬の専門家ではないため患者さんに正しく指導ができているかを不安に感じたりしています。
こうした看護師さんの不安は、在宅医療に薬剤師が加わることで払拭することができます。

医師の立場からすると、患者からの薬に関する相談を、薬剤師に任せることができるので負担が減ります。
さらに、薬剤師から患者の服薬状況や薬の効果、副作用などの情報を教えてもらうことができるので、今後の診療にも役立ちます。

このように薬剤師が在宅医療にかかわることで、医師や看護師の負担を軽くすることができるんですね。

【在宅薬剤師の役割】
2.薬の知識不足による事故防止

薬の管理に困る

先ほどもお話しした通り、在宅医療では薬に関する管理があいまいです。
そのため、誤った服薬管理をしてしまったり、患者や家族が自己判断で服薬してしまったりすることがあり、患者さんの体調に悪影響を及ぼす危険性があります。
こうした状況を避けるために、薬のプロである薬剤師が必要とされています。

【在宅薬剤師の役割】
3.薬の飲み残しを改善する

医療費削減

冒頭でお話しした通り、年間500億円といわれる国民の薬の飲み残しを改善することも、在宅薬剤師の重要な役割のひとつです。
なぜ、飲み残しが起きるかというと、薬の種類が多すぎて効用を把握し切れていなかったり、つい飲み忘れてしまったりするからです。

なので、薬剤師が患者さんの家を定期的に訪問して、残っている薬がないかをチェックしていくことができれば、飲み残しは減らすことができるんです。
薬剤管理が徹底できれば、飲み残しによる500億円分の損失を、100億円まで減少することができるといわれています。

在宅薬剤師の役割


このように、在宅薬剤師は在宅医療の現場から大きな期待を寄せられているんですね。
そんな在宅薬剤師の具体的な仕事内容について、確認していきましょう。

在宅薬剤師は、医療従事者と連携しながら、患者さんの薬の管理をサポートする

勤務先によって件数は違いますが、在宅薬剤師は、1日で平均5~6件ほどの患者さん宅を訪問します。
患者さん宅を訪問する流れについてチェックしていきましょう。

【在宅薬剤師の仕事内容】
1.医薬品を調剤して、患者さん宅へ届ける

処方箋をもとに調剤

医師による往診や訪問医療が終わると、患者さんや医師からFAXなどで処方箋についての連絡がきます。
在宅薬剤師は、その処方箋をもとに医薬品の調剤を行い、患者さん宅へ薬を届けにいきます。

状況によっては、患者さんが服薬しやすい薬剤を検討するために、医師と一緒に患者さん宅を訪問し、処方内容について話し合うこともあるんです。

【在宅薬剤師の仕事内容】
2.患者さん宅にて服薬指導・薬剤管理などを行なう

薬の飲み残しをチェック

患者さん宅に着いたら、まずは薬の飲み忘れがないかを確認するために、残っている薬をチェックします。
もし、飲み忘れがある場合は、一度に飲む分の薬を小分けにしてまとめたり、ホワイトボードやカレンダーに目印をつけたりするなどして、飲み忘れを防ぐためのフォローをしていくんです。

患者さんによっては、飲み忘れではなく薬を飲むこと自体を嫌がるケースもあります。
その理由は、副作用が怖かったり、服薬の目的が分からないから飲みたくなかったりと、さまざま。

薬が多すぎて困るおじいちゃん

在宅薬剤師は、こうした患者の考えや気持ちをしっかりと聞いた上で、処方されている薬の副作用や効果を分かりやすく説明して、患者さんの不安を払拭していきます。
薬のプロである薬剤師だからこそできる仕事ですよね。

患者さんとのコミュニケーションについては、下記記事で詳しいノウハウを紹介していますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。

そのほかには、患者さん宅にある多数の薬を下記の観点で整理していきます。


  • 副作用の危険性がないか
  • 効用が重複していて、飲まなくてもいい薬がないか
  • 薬を正しく服用しているか

これらの薬に関する指導を「訪問薬剤管理指導」といいます。

【在宅薬剤師の仕事内容】
3.医師や看護師、ケアマネージャーなどに業務報告を行なう

患者さん宅から薬局に戻ったら、医師や看護師、ケアマネージャーなどの関係者に「業務報告レポート」を提出します。

業務報告する薬剤師

業務報告レポートでは、患者さんに対する服薬指導の内容をまとめます。
レポートには、医師に対する患者さんの状態に合わせた最適な処方の提案や、ケアマネージャーに対する服薬の介助や服薬スケジュールの共有、看護師に対する副作用の説明なども行います。
こうした同じ患者さんを担当している医療従事者同士の情報共有はとても重要なんです。


これまでの説明で、在宅薬剤師の仕事は調剤だけでなく多岐にわたることが理解していただけましたか?
薬局で訪問してきた患者さんに対する接し方とは、かなり違いがありますよね。

そして、業務が違うということは、必要となるスキルにも違いがあるということです。
次に、在宅薬剤師に必要となるスキルについて説明していきますね。

在宅薬剤師には、チームワークを取れるコミュニケーション能力と幅広い医療知識が必要

在宅薬剤師に必要なスキルは、“コミュニケーション能力”と、“医療や介護に関する幅広い知識”です。
それぞれのスキルが、なぜ必要になるのかを説明していきますね。

【在宅薬剤師に必要なスキル】
1.ほかの医療従事者や患者さんとスムーズにコミュニケーションをとる力

在宅医療の現場では、ひとりの患者さんに対して医師・看護師・薬剤師・ケアマネージャーなど多くの専門家が関わっています。
そのため、他者の意見を素直に聞いた上で、自分の専門知識を分かりやすく相手に伝えるコミュニケーション能力が必要なんです。

在宅医療では多くの関係者がいます

もし、在宅医療チーム内でのコミュニケーションが上手くいっていないと、なかなか薬剤師の意見が通らないこともあります。
あなたが粘り強くコミュニケーションをとっていくことで解消されることが多いと思いますが、人とのコミュニケーションが苦手な場合は、ストレスを感じたり、挫折したりする可能性もあります。

しかしながら、患者と直接のやり取りができるのは、在宅医療の大きな魅力です。
患者さんが心を開いてくれれば健康状態について詳しく教えてくれる可能性が高いので、より患者さんの役に立つアドバイスができるようになるんです。
ですから、患者さんとのコミュニケーションでは、患者さんの気持ちや考えを察していく力が必要なんですね。

【在宅薬剤師に必要なスキル】
2.医療や介護に関する幅広い知識

在宅薬剤師は、薬剤管理や服薬指導をするのはもちろん、処方箋の効果や副作用について確認するために、血圧や脈拍などの簡単なバイタルチェックを行うことがあります。

薬剤師が血圧を測ることも

また、医師が処方した薬以外の、サプリメントや介護用品などの質問を受けることもあります。
こうした対応をするためには、薬だけではなく医療や介護に関する幅広い知識が必要です。

このように聞くと「在宅薬剤師って難しそう・・・」と思うかもしれません。
ですが、これらを初めからできる在宅薬剤師はいませんので、安心してくださいね。
「在宅医療に携わり、患者さんをもっと近くでサポートしたい」という想いがあれば、こうしたスキルは仕事を通して身につけることができます。

もし、スキルを少しでも早く身につけたい場合は、在宅医療に関するマニュアル本を読むのがオススメです!
下記で紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

薬剤師のスキルアップ

さらに、在宅薬剤師のための認定制度である「在宅療養支援認定薬剤師」を取得すると幅広いスキルが身につきます。
この制度は、在宅医療に関する知識・技能・マナーを習得し、ほかの医療従事者と協力して活躍できる薬剤師を育てることを目的としています。

この制度は2013年にスタートしたばかりで、2015年には初めての在宅療養支援認定薬剤師が17名誕生しました。
在宅薬剤師をする上で、必須の資格ではありませんが、スキルアップのひとつとしてチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

在宅療養支援認定看護師については、下記に詳しい情報がありますので、興味のある方は確認してみてくださいね。


これまでの説明で、在宅薬剤師の仕事内容や必要なスキルは理解いただけましたか?

最後に、「在宅医療に携わりたい!」と思った方のために、在宅薬剤師の求人の探し方について説明していきますね。

在宅薬剤師の求人を探すときは、在宅医療の業務比率をしっかり確認すること

薬剤師求人を探す女性

在宅薬剤師の勤務先は、圧倒的に調剤薬局が多く、次いで調剤施設併設型のドラッグストアが多いです。
ちなみに私がお手伝いしている薬剤師求人プレミアで、在宅業務がある勤務先を調べたところ、5,156件の求人がありました。(※2016年5月31日時点)

このように在宅医療に携われる求人は多いのですが、きちんとチェックしておきたいのは在宅医療の業務比率です。
在宅医療の業務をしていても、業務の10%しかしていないのと、90%が在宅医療なのとでは、働き方がかなり違いますよね。

ですから、在宅医療にかかわる業務をしっかりとやりたいと思っている人は、在宅医療の業務割合が高い求人を探すようにしましょう。
在宅医療の業務比率に関する情報は、求人サイトには明記されていないこともあるので、信頼できる紹介会社に聞いてみるのがオススメです。

また、在宅薬剤師の平均年収は、一般的な薬局薬剤師と大きな違いはなく、年収相場は400~600万円ほどです。
紹介会社経由で転職活動をすれば年収交渉なども依頼できますので、紹介会社を活用してみてくださいね。

在宅薬剤師が注目されています


いかがでしたか?
急速な伸びをみせている在宅医療の現場では、薬剤師のニーズが高まり続けています。
在宅医療という新たな業務にチャレンジして、薬剤師としてのスキルアップを図ってみませんか?

※本コンテンツはフィクションであり、実在の人物・団体との関係はございません。
※本ノベル内で取り上げているノウハウに関しましては、実際のキャリアアドバイザーからのヒアリング及び、様々な文献を参考にして構成させていただいております。


伊集院ナオコのぶっちゃけ話

・・・ところで、ナオコさん。
うちの転職相談所に来る人たちって、みんないろいろな求人サイトに登録しているんですが、結局、ナオコさんがオススメする求人サイトってどこなんですか?

う~ん、そうね・・・。
ぶっちゃけていうと、以下の2つの法則に該当する求人情報サイトかしら。


  1. 求人データベースを豊富にもつ“大手”が運営している
  2. 登録後、機械的に求人情報を提供するのではなく、転職アドバイザーが各自の裁量で、その求職者に合った求人をしっかり調べてくれる

なるほど・・・!

あ、この2つの法則って、ナオコさんが僕に教えてくれた法則ですよね?
今なら、ナオコさんがこの法則を大切にしていた理由がすごく分かります!

ふふふ、ありがとう。

・・・でも、優太も知っている通り、この2つの法則を知らずに、適当に求人サイトを選んでしまっている人はすごく多いの。
たとえば「広告をたくさん見かけるから選んだ」とか「検索順位が高いから選んだ」、とか・・・。

だって・・・、普通はたくさん露出している求人サイトを選びますよ。
さっきの2つの法則が大事だなんてこと、普通の薬剤師さんは気付かないです。

転職活動の期間中は何かと忙しいし・・・。

そうね・・・。
そこが転職業界の“闇”でもあるのよ。

でも、その“闇”から抜け出せることができるかどうかは、自分自身。
自分の人生だから、しっかり情報収集して、“何が正しいのか?”を判断しないとね。

やみくもに求人サイトに登録するのではなく、自分の個人情報を大切にして行動しなくちゃ。

なるほど・・・。

ということを踏まえると、私が言うのもなんだけど、私が今お手伝いしている「薬剤師求人プレミア」というサイトはオススメよ。
上記の2つの法則をクリアしてるから。

リクナビ薬剤師と提携しているだけあって、求人データベースの情報量がすごいですし、サイトには転職体験談もたくさん載っているので、自分と境遇の合った人を見つけやすくて、安心できますね。

そうよ。
そして、極めつけは転職アドバイザーのレベルね。
転職アドバイザーの憧れでもあるリクルートのすご腕のアドバイザーが、時間をかけて転職をサポートしてくれるので、とても安心よ。

もしかして、そのアドバイザーの中には、ナオコさんが尊敬するあの人もいるんですよね・・・?

ふふふ、そうよ。
詳しくは、今後話すわね。

薬剤師求人プレミア 伊集院ナオコが語る2つの法則をクリアした求人サイト

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Written by ソノン池田/illustrated by シルクハット上野