あの薬が胃で溶けない理由は洗剤の仕組みを使っていたから!

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こんにちは!薬剤師ネットのジョンです!

あなたは普段、薬を飲む時に「食道や胃などで、途中で溶けてしまうのではないか?」と疑問に思ったことはありませんか?
もちろん、食道や胃に作用させるための薬はそれで構いませんが、腸に効く薬などもあり、体内のどの部分に作用するかは薬によって違いますよね。

薬の効果を正しく効率的に発揮させるには、薬を体内の狙った箇所に到達させる必要があります。
そうすることで副作用を抑えることができ、有効な効果だけを発揮できるようになるんですね。

この仕組みのことを「ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System: DDS)」(以下DDS)といいマス!

薬を飲む

近年、新薬が生まれにくくなっているため「既存の薬を、より効率的に効かせよう」と、「DDS」の研究の重要性が増してきており、全国の薬学部においても独立したDDSの研究室が出来てきている程です。

・・・ところで、話は変わりますが、洗剤は汚れを落とすことに使われるものですよね。
「DDSと洗剤って何か関係があるの?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、この両者の結びつきが今後の「DDS」の鍵を握ると言われています。
今回は、洗剤とDDSの関係についてご紹介いたしマス!
ひょっとしたら、今あなたが飲んでいるその薬も、関係しているのかもしれませんよ!

そもそも洗剤が汚れを落とす仕組みは!?

「水と油の関係」と言うように、水と油は混ざることはありません。
しかし、この両者をまぜることができる物質が存在します。
それは、「界面活性剤」です。

界面活性剤には、「水に溶ける親水基部分」と「油に溶ける親油基部分」が存在するため、水と油を混ざり合わせることができるのです。
洗剤にはこの界面活性剤が含まれています。

界面活性剤

水に洗剤を加えると、水が界面活性剤の親水基部分と結合し、水自体が「水に溶ける部分の汚れ」を落とします。
衣類に油汚れがあると、界面活性剤の何も結合していない親油基部分が、油と結合することで、衣類から油汚れを落とすことができるのです。

DDSでの界面活性剤の役割は!?

DDS研究で注目されているのは、「リポソーム」と呼ばれる、薬の運び屋です。
リポソームとは、リン脂質からなる、数十〜数百nm(ナノメートル)の粒径をもつ微小なカプセルです。

リポソームに含まれるリン脂質は、親水基と親油基の両方を持っており、まさに「洗剤と同じ性質」といえます!
つまり、水に溶ける薬と油に溶ける薬を同時に同じ場所に運ぶことができるのデス!

カプセル


リポゾームは、内部に様々な物質を入れられるだけでなく、生物の細胞の細胞膜に似せて作られていますので、生体適合性が高く、生体内での分解性にも優れています。

しかし、リポソーム自体には臓器特異性(特定の臓器にのみ効果が発現すること)はないので、リポソームの表面を加工するなどして、狙った臓器に到達するように作り変えることが必要となります。

研究開発が盛んなリポソーム

現在、世界中で新規リポソーム開発研究が活発に行われています。

例えば、温度変化によって、親水基と親油基との場所が入れ替わるという、「温度感受性リポソーム」。

新規リポソーム開発研究

温度感受性リポソームの研究が進めば、外部から温度調節することで人工的にリポソームの状態変化を起こし、「"油に溶ける薬"と"水に溶ける薬"の効果をコントロールする」ことができるようになります。


いかがでしたか?

現在、「温度感受性リポソーム」の他にも、「多機能リポソーム」の開発研究がおこなわれています。

将来的に、このリポソームが、病気という頑固な「汚れ」をきれいさっぱり落とす、「洗剤」になってくれたらいいですネ!


※今回の記事は、下記の著者のメルマガ記事を元に編集したものです。
著者:宮川 隆
薬剤師ほか第一種放射線取扱主任者など10以上の資格を保有。
現在は、東京大学大学院医学系研究科がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン特任助教


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